患者さんの悩みは痛みではないのか?

痛みはもちろん悩みではあります。
その裏側にある「欲求」を知ることができたら?
もっと患者さんに喜んでもらえるのでは?

「どうしようもない」って言われたんです・・・。

最近の患者さんの話です。
「2週間前から急に症状が出て整形外科に行ったら『腰の部分が変形していて、この神経が曲がっていて、骨の位置もおかしいからもうどうしようもない』って言われたんですよね・・・」

そう医師に言われたと訴えて紹介で来院された方がいます。
自覚症状は「足のしびれ&違和感」「臀部の痛み」が主訴です。

さあ、どうやって治療しましょうか?
というより、どうやって患者さんに納得してもらえるようにしましょうか?

医師の説明がよく分からない点もあります。
これは患者さんが医師の話を「自分の言葉」で話しているから通じにくい部分もありますよね。

ボクが最初に伝えたことは、
「どうしようもないって言われたら、ちょっとキツイですよね~」ってこと。

考えてもみてください。
今まで痛みも症状もなかったのに「骨が変形しているからどうしようもない」そういわれた患者さんの気持ちを。

ボクだったらけっこうショックです。
というか「何とかならないの?」「何とかしてよ!」って思っちゃいます。

▲久しぶりにかなり慎重に説明をし治療をしました。これでもし患者さんの心を傷つけたら、治るものも治らなくなってしまうからね。

いきなり説明してませんか?

医師の言わんとしていることは推測できます。
「変形している骨を真っ直ぐにすることはできない=どうしようもない」ということなんじゃないかと。

でも患者さんが求めていることはそこではないんです。
そして、今目の前にいらっしゃる患者さんが「ボクに求めていること」は?

 

「症状の説明でも、痛みを取ることでもない」

 

ここが理解できているかどうか?
患者さんに信頼していただくために、治療家が勘違いしている点がここです。

「どうしようもないって言われたら、ちょっとキツイですよね~」
この言葉だけで患者さんの表情が緩んだことが分かりました。

それを確認できたら、あとは丁寧に現在の状態と症状の説明をします。
あとはしっかり施術をすればいいだけです。

「急に症状が出たのはその通りなんでしょうけど、骨が突然いきなり変形したりはしないしない。今までのクセや動き方から徐々に骨に負担がかかって、このタイミングで症状が表面化した。だから痛みや違和感自体は決して諦めなくて大丈夫。必ず改善するものだから」

こんなことを丁寧にお伝えしました。
結果、かなり楽になったらしく「今度ウチの主人も腰痛だから連れてきます」と言いながらお帰りになりました。

患者さんがボクに求めていたこと。
それは「ツラかったことへの理解」そして「未来に対する希望を見せてほしかった」この2点だと思うんです。

もし整形外科に行く前にボクが治療を担当することになったら対応の仕方も違ってきたことでしょう。
今回は通院後の対応だったので上記のように考えました。

 

症状を改善するのが仕事ではあります。
それは治療家として当たり前のことです。

でもそれだけじゃ「物」を相手に仕事をしてませんか?
相手は物ではなく「人」なんです。

それが理解できない、そしてそれに合わせての施術スキルがない。
心の動きと、身体の仕組みの両面を考えていない。

メンタル面の勉強をしても、それを押し付けるような言葉。
スキルアップをしても、自分のやり方を押し付けるような施術方法。
これじゃ患者さんに支持はされません。

症状を診るのではなく、人を診ること。
ボクはそう考えていますし、これからも変わらないだろう。

「治療を通じてアナタの心と身体を応援します」
これがボクの、やまだ整骨院のモットーです。

 

やまだ整骨院 院長 山田敬一

 

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山田 敬一
株式会社サイモン・やまだ整骨院代表 柔道整復師 
サイモン式テーピングマスター代表
メンタル心理カウンセラー 
G-nius5メディスン認定イメージトレーナー 
藤村正宏氏主宰・エクスマ塾45期卒/エヴァ10期卒/ウルエヴァ1期卒

2008年東京都文京区本駒込に「やまだ整骨院」を開院。
プロ格闘技選手のトレーナーを15年務める。
現在は青山学院大学女子バレーボール部、大相撲佐田の海関、パリ五輪代表女子柔道57kg級舟久保遥香選手のコンディショニングサポート中。
治療現場では「治療を通じてアナタの心と身体を応援します」をモットーに活動中。

テーピングの開発・販売・講習もしています。
(講習に関しては随時ブログにてお知らせしています)

スポーツ歴は中高生時バスケ、専門学校時に柔道、社会人になり格闘技(キックボクシング)をしていました。
修行期間13年を経て34歳で独立開業、35歳でアキレス腱断裂、41歳で大動脈解離を患い生死の境を彷徨いました。
もうスポーツは積極的にはできませんが、身体とメンタルの両面をサポートし、アスリートを目標達成へと導きます。

2020年4月よりオリジナルプロテインを販売開始。
学生競技の現場を体験して「継続して飲むなら美味しくて、身体にいいプロテインを飲んでほしい」その想いからオリジナルプロテインを作りました。

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