家族の治療は難しい。
ひとりの患者さんと同じように考えること。
伝えなくていいことなんて何もない。
腰痛なんて・・・
「誰か来てーーーーー!」
と妻の叫び声が聞こえたのはある日の夜でした。
その少し前、ボクは仕事から帰ってきて「おばあちゃんのように」なっていた妻の姿を見たんです。
いわゆるへっぴり腰になりながら家の中を移動している妻。
腰痛いの?と聞いたら「調子が悪い」とのこと。
とりあえず腰の治療しよう、と早速施術スタート。
その日は骨盤調整のセミナーの初日を終えたばかり。
まさか同じ施術を自宅に帰ってきてからやることになるとはね。
なんてことを思いながら妻の腰をしっかり施術しました。
曲がった腰をバッチリ伸ばし、くの字に曲がっていた腰もキレイに伸びて、さっきとは比べ物にならないほど歩き方もスムースに。妻自身も「超ラクになった〜。ありがとう!」って言ってたっけ。
これでテーピングをすればOKだな。なんて思っていましたが、まだお風呂に入る前だったので「テーピングはお風呂に入ってからにしよう」と伝えていたんですね。
妻は着替えを準備するために脱衣所と部屋を行き来していました。
その矢先です。妻の叫び声が聞こえてきたのは。
▲こんな感じで施術をしていきます。さすがに痛くて動けない妻の写真を撮るわけにもいかないからね。。。
伝えるべきことを伝える
階段の手すりを掴まりまったく動けなくなっている妻。
直感的に思いました。ヤバイ、やりすぎちゃったな、と。
なんでいつも通りに動いちゃダメ、と伝えておかなかったんだろう、と。
施術前、明らかに腰の調子が悪かった妻です。
それをある意味では「無理矢理」動ける状態にしてしまいました。
決して治っていたわけではないんですよね。だからいつも通りに動いていいわけではないし、細心の注意を払いつつ動くようにと伝えないとマズい状況でした。
それなのにしっかり注意もせずそのままにしてしまっていたんです。それで妻の腰は余計に悪くなってしまいました。
完全にボクのミスです。
もしここまでしっかり動けるようにするのであれば、その後の注意点を伝えて「いつも通りに動くのはダメ」だと言っておかなきゃいけません。
やまだ整骨院で患者さんに施術する時は必ず伝えていることなのに、家族だからどこか油断があったのだと思います。
一番大切にしたいはずの家族なのに、施術したことでかえって痛みを誘発させてしまうことになろうとは・・・。
ここ最近では一番のミスです。素直に妻に謝りました。
伝えるべきことを伝えていないのは最大のミスだし、もし伝えないのであれば施術内容はもっと軽くしておいて、あえてスムースに動けない程度に抑えておかないと。
思い返してみても伝えていないこと自体が最大のミスです。
本当に大反省ですよ。
学びの連続
普段から施術現場ではそこそこ結果を残してきました。だから患者さんもたくさん来院してくれています。
ただそれは技術的なことだけではなく「伝えるべきことを伝える」、コミュニケーションも含めてセットでやっているから結果が残っていたんですね。
家族を相手にするとどこか油断しているんだと思います。
整骨院で施術をする時は家族だろうが、患者さんだろうが、しっかり治療家になっているのだと思いますが、自宅での施術は「プロ意識」がどこか抜けてしまっているんだろうな・・・。
常にどの場面でも「同じクオリティ」でいるのは難しい。
そんなことをずっと思っていましたが、それは違う。
自分でオンとオフを勝手に作っていただけです。
家族だろうが、患者さんだろうが、他人の身体を触る時はオンにすればいい。
プロなんだからそのくらいのことはできるはずです。
そして伝えるべきことは面倒臭がらずに伝えること。
言葉も施術に必要、コミュニケーションも重要だとあらためて気づかされる結果になりました。
最後に。
家族が元気でいてくれること。
これが何より自分の支えになっているし、仕事だって家族が元気でなければうまくいかない。
もっと家族のこと大切にしなくちゃね。本当にそう思います。
今回の反省を踏まえまた治療家として成長しないと。
妻の痛みと引き換えに、ね。本当にゴメンよ。
テーピングマスター
やまだ整骨院 院長 山田敬一
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サイモン式テーピングマスター代表
メンタル心理カウンセラー
G-nius5メディスン認定イメージトレーナー
藤村正宏氏主宰・エクスマ塾45期卒/エヴァ10期卒/ウルエヴァ1期卒
2008年東京都文京区本駒込に「やまだ整骨院」を開院。
プロ格闘技選手のトレーナーを15年務める。
現在は青山学院大学女子バレーボール部、大相撲佐田の海関、パリ五輪代表女子柔道57kg級舟久保遥香選手のコンディショニングサポート中。
治療現場では「治療を通じてアナタの心と身体を応援します」をモットーに活動中。
テーピングの開発・販売・講習もしています。
(講習に関しては随時ブログにてお知らせしています)
スポーツ歴は中高生時バスケ、専門学校時に柔道、社会人になり格闘技(キックボクシング)をしていました。
修行期間13年を経て34歳で独立開業、35歳でアキレス腱断裂、41歳で大動脈解離を患い生死の境を彷徨いました。
もうスポーツは積極的にはできませんが、身体とメンタルの両面をサポートし、アスリートを目標達成へと導きます。
2020年4月よりオリジナルプロテインを販売開始。
学生競技の現場を体験して「継続して飲むなら美味しくて、身体にいいプロテインを飲んでほしい」その想いからオリジナルプロテインを作りました。
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