教えることはできる。
でも伝えることはできない。
教えると伝えるは全く違うもの。
経験が裏打ちする。
「技術や方法なんてものはいくらでも教えられる。でも伝えることはできないんだよね」
ボクの患者さんで、剣道六段を有し、夏に七段の昇段試験を控える方から教えられた言葉です。
しかも。
これは六段を有する方の「師範」の言葉なんです。
六段もの有段者が発した言葉ではないんです。
「技術的な動き方や方法論からのやり方は簡単に教えられるんだよ。そんなのはいくらでも教えてやる。でもそれじゃ剣道の本質的なことは伝わらないんだよ」
剣道って奥が深いんだね・・・。
ボクは剣道の経験はないし、柔道も専門学校時代にかじった程度しかやっていない。
武道に関しては知識は少々あれど、経験者というには程遠い。
それでもこの師範の言わんとしていることは何となく分かります。
ジャンルは違えど、もし治療活動を「治療道」と名付けるなら理解できる気がします。
治療道、ちょっと響きがいいな。
何だか武道っぽい感じも、日本っぽい感じもするしね。
テーピング道も早25年が経過しようとしていますし。
治療道もテーピング道も、ほぼ同じ年数を経験しています。
確かに技術を教えるのはカンタン。
でも伝えることはそうカンタンにはいかないものです。
それは経験が裏打ちしているものです。
治療もやり方は教えられても、考え方や見立て方まではなかなかカンタンには伝わらない。
それには臨床経験数がどうやっても必要になりますから。
▲「◯◯道」ってその道を極める、そんな響きや語感があっていい感じです。これから自分の中では治療もテーピングもそんなイメージで進めていこうかな。この迷彩色のテーピングも求道者が製作した「職人技」の賜物なんですよ。
自分自身が「求道者」でありたい。
最近までは「治療やテーピングを伝えるのは、ボクがやらなくても誰かがやるっしょ」そんな感じで思っていました。
だけど今は「オレがやらないで誰がやんのよ。特にテーピングは譲れないわ」と思うようになってきました。
その業界に長くいれば感覚的に分かるとは思いますが、自分よりも卓越した手練の業界人は多々います。
ボクだって同じです。ベテラン治療家から見たらまだまだヒヨッコです。
だけど。
テーピングだけはけっこうイケてるわ。
技術的なこともあるけど、情熱が違いますからね。
今までかけてきた金額も相当なもんですからね。
治療家の中でもたぶんかなり上澄みの方だと思います。
そして。
いまだにその道を極めたい。もっと追い求めたい。
テーピングの貼り方ひとつとっても、もっといい貼り方があるかもしれない。
もっといい教え方があるかもしれない。
もっといい見せ方があるかもしれない。
もっといい伝え方があるかもしれない。
「ボクと同じレベルで貼れる治療家が増えれば、もっと楽になる患者さんが増える」
そう思ってセミナー活動をしてきました。
だけどちょっと方向転換します。
業界の動向や、最近の反応を考えた時に、このままじゃボクが面白くない。
ボクはテーピングを貼って、貼られて、使って喜んでくれる人を増やすのが目的で、治療家に使ってもらうのが第一の目的ではないから。
もっとダイレクトに喜んでもらうには、困っている人にそのまま貼り方を教えた方が喜んでもらえることに気づいてしまったから。
今までは「伝えたい」と思っていました。
でもこれは自分のエゴで思っていただけなんだと気づきました。
純粋に喜んでもらえるようにするには?
最近の取り組みのように「初心者OK!体験型テーピング講座」のように、「テーピングで身体が変わること」を自分の身体で体験してもらった方が喜んでもらえるんだと気づいてしまったんです。
もしかしたら今現在治療家に教えている講座のクールを終えたら、しばらく治療家向けはやらないかもしれません。
そのくらい自分の情熱のベクトルが変わってきているんです。
やっぱりダイレクトに喜んでもらえるのって最高に嬉しい。
素直に体験してもらえるのってやりがいもあるからね。
もっとたくさんの人に教えます。
カンタンな貼り方で身体は変わるんだからね。
テーピングマスター
やまだ整骨院 院長 山田敬一
サイモン式テーピングマスター代表
メンタル心理カウンセラー
G-nius5メディスン認定イメージトレーナー
藤村正宏氏主宰・エクスマ塾45期卒/エヴァ10期卒/ウルエヴァ1期卒
2008年東京都文京区本駒込に「やまだ整骨院」を開院。
プロ格闘技選手のトレーナーを15年務める。
現在は青山学院大学女子バレーボール部、大相撲佐田の海関、パリ五輪代表女子柔道57kg級舟久保遥香選手のコンディショニングサポート中。
治療現場では「治療を通じてアナタの心と身体を応援します」をモットーに活動中。
テーピングの開発・販売・講習もしています。
(講習に関しては随時ブログにてお知らせしています)
スポーツ歴は中高生時バスケ、専門学校時に柔道、社会人になり格闘技(キックボクシング)をしていました。
修行期間13年を経て34歳で独立開業、35歳でアキレス腱断裂、41歳で大動脈解離を患い生死の境を彷徨いました。
もうスポーツは積極的にはできませんが、身体とメンタルの両面をサポートし、アスリートを目標達成へと導きます。
2020年4月よりオリジナルプロテインを販売開始。
学生競技の現場を体験して「継続して飲むなら美味しくて、身体にいいプロテインを飲んでほしい」その想いからオリジナルプロテインを作りました。
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