生き残る。率直に面白くないフレーズです。
出来れば使いたくない言葉のひとつでもあります。
あれだけ雑誌に書かれてしまっては受け入れるしかないのかな?
激化!整骨院生き残りを賭ける!
週刊ダイヤモンドの特集記事。
「整骨院の裏側・保険詐欺取締りと競争で絶滅?」
▲こんな表紙です。けっこうえげつないフレーズの連発で笑ってしまいました。
痛みに関する情報まで含めたら全40ページ。
中身を何度も読みましたがよく書かれています。
記者がしっかりリサーチしているのでしょうね。
ただあの書き方だと「全ての整骨院が不正をしている」、そう思われてしまうのではないか?と危惧します。
実際に不正をしていなくても「どうせあそこもやってるんでしょ」なんて思われるのは心外です。
「腕一本で勝負」などというのは時代錯誤です。
昔はそれでよかったかもしれませんけど、誌面でも書かれているように今は整骨院を含めた「施術院」の数だけでも「14万軒」を超えているんですよ。コンビニの約3倍の数ですから、腕だけで勝負なんて言ってたらあっという間に潰れます。
「マーケティングスキルを生かして」これもまたおかしな話なんです。
もちろんボクも勉強して取り入れていますが、そもそも整骨院が「広告の規制」の対象になっている以上、大したマーケティングの施策はできません。
できるのは患者さんとの関係性を深めていき、信頼に足る「治療家」であり続けることです。
中には広告の規制を無視して看板やチラシ、WebサイトなどでPRしている整骨院もあります。
これは運営している側のリテラシーの問題なのでボクがどうこう言えるわけでもありません。
ただルール違反の整骨院があると「同じでしょ?」と思われることが心外ですけどね。
このあたりが美容師やエステとは違う部分なのでしょうね。広告の取り扱いが違うのは大きな違いですから。
明らかに他院より「優れている部分」があったとしてもそれすらPRできない。これは患者さんにとってはマイナスになる部分でもあります。
でもそれ以上に「ちゃんとしてない整骨院が多い」のが現状だったりするのが困ったものです。
▲中身もこんな感じで書かれていますからね。いよいよここまできたかという印象です。業界の人間以上に、一般の患者さんにこそ読んでほしい。そう感じました。
生き残るとは?
整骨院は保険適用に依存してきた期間が長くありました。それが時代の流れとともに保険の取り扱いがシビアになり、そして整骨院の数も増加したため「生き残る」なんて言葉が目につくようになってきたのです。
ただ業界がこのような状態になることは「予想できていたこと」でもあります。
そのためにボクは独立開業前から多方面で勉強を重ねてきたし、今現在も整骨院の運営とは別に活動をしていますから。
テーピングの活動もそうだし、スポーツ現場に関わることもそう。今だとサプリやプロテインのオリジナル商品を考えているのも、現在の業界状況を以前から予想していた部分の一部でもあります。
だから「生き残る」とは『正確に情報を収集し、行動をし続けること』なんだと思うのです。
同じように業界で生きている治療家はそれこそダイヤモンドによれば50万人もいるそうです。その中のどれだけの人数が情報を収集し行動し続けたのだろうか?ボクの周囲の治療家を見ても、しっかり情報収集をして動いていた人と、そうではない人とがハッキリ分かれていますから。
動いていた人の特徴は事の大小はあれど、行動して「失敗経験をしていること」です。整骨院の中や業界の中にいるだけではなく外に出て勉強し、外に出て失敗していることです。
ボクら治療家は基本的には「待つ仕事・受け身の仕事」です。患者さんが来院してくれなければ仕事になりません。だからどうしても、広告の規制があったとしてもギリギリのラインでPRすることも出てきます。待っているだけでは患者さんは来院してくれません。
生き残るとは『正確に情報を収集し、行動をし続けること』だとするならば、失敗を経験することも致し方なし。失敗なんてしたくてするわけではないんですけどね・・・。
目標とする人物を決めよう
どの業界にも共通することだと思いますが、業界に関わってまだ日が浅いなら「目標とする人物を決めること」が成長する一番の近道だと思います。
ボクの場合はそれが「師匠」でした。『師匠のようになりたい、師匠を超えたい』その一心でこれまでこの業界で生きてきました。今は師匠・弟子のような関係や徒弟制度などとは無縁の時代です。たぶん残っているのは芸事の世界くらいじゃないでしょうか。まさに守破離の「守」の部分を作ることです。
だからこそ「師匠」とまではいかなくても「目標とする人物・背中を追う人物」は決めておいた方がいい。
これは他業種ではありません。まず日が浅いなら「技術や考え方」を先に身につける必要があると思うからです。
何も一生その人の背中を追う必要はありません。自分が成長したらまた次の目標となる人物を見つければいいだけです。その頃には他業種の方が目標になるかもしれませんが。
恥ずかしながらボク程度の人間でも「山田先生のようになりたい」と言ってもらえることはあります。嬉しいことでもありますが、ボクみたいになりたいなんて変わってるなとも思います。
経営者としては半人前以下の器しかありません。ただこの業界で長く生きてこられているのは、その器を上回る「職人気質」があったからだと自負はしています。職人気質なんて聞こえはいいですが「扱いにくい面倒臭い人」でもありますからね。ボクはそっち側の人間です。
話はそれましたが、それでも「目標とする人物を決める」のは成長の助けにはなりますよ。メンターを決めよう、なんて言いますが、技術職である以上「まずは技術を身につけなさいよ」、これは先輩風を吹かせた面倒臭い職人からのメッセージです。
業界のひとりとして
自分の力で業界を変える、なんてこれっぽっちも思っていません。
これからもこの業界で生きていきますので、雑誌にこれだけ疑いの目を持って書かれている以上、襟を正していかないといけないな、とは思っています。
もしかしたら自分のことを見て業界全体を見る人もいるかもしれません。生き残るのではなく「この業界の人間ってけっこうやるじゃん」と思われるようにね。
生き残るとは『正確に情報を収集し、行動をし続けること』これは間違いない。
この続きは書きたいこともまだまだあるので引き続き書いていきます。
テーピングマスター
やまだ整骨院 山田敬一
サイモン式テーピングマスター代表
メンタル心理カウンセラー
G-nius5メディスン認定イメージトレーナー
藤村正宏氏主宰・エクスマ塾45期卒/エヴァ10期卒/ウルエヴァ1期卒
2008年東京都文京区本駒込に「やまだ整骨院」を開院。
プロ格闘技選手のトレーナーを15年務める。
現在は青山学院大学女子バレーボール部、大相撲佐田の海関、パリ五輪代表女子柔道57kg級舟久保遥香選手のコンディショニングサポート中。
治療現場では「治療を通じてアナタの心と身体を応援します」をモットーに活動中。
テーピングの開発・販売・講習もしています。
(講習に関しては随時ブログにてお知らせしています)
スポーツ歴は中高生時バスケ、専門学校時に柔道、社会人になり格闘技(キックボクシング)をしていました。
修行期間13年を経て34歳で独立開業、35歳でアキレス腱断裂、41歳で大動脈解離を患い生死の境を彷徨いました。
もうスポーツは積極的にはできませんが、身体とメンタルの両面をサポートし、アスリートを目標達成へと導きます。
2020年4月よりオリジナルプロテインを販売開始。
学生競技の現場を体験して「継続して飲むなら美味しくて、身体にいいプロテインを飲んでほしい」その想いからオリジナルプロテインを作りました。
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